三上晴子(1961-2015)
美術家
情報デザイン学科メディア芸術コース教授(2000-2015)
三上晴子は、日本を代表するアーティストとして、知覚とテクノロジーの相互作用を軸とする 『知覚の美術館』の構築を目指した、多彩な芸術表現を展開しました。1980年代より 「情報社会と身体」をテーマに、廃材を用いたジャンク・スカルプチャーやパフォーマンスを制作し始め、1985年に廃墟化した都市を表現した個展《滅ビノ新造型》 で注目を集めました。1990年代にはニューヨークを拠点に、ベル研究所での制作研究と並行して、バイオロジーと情報技術を融合させた「Bio-Infor-matics」概念を提唱し、メディア横断型の作品を国内外で精力的に発表しました。1990年に発表した 《Pulse Beats》 を皮切りに、観客の知覚や身体性を媒介としたインタラクティヴ・アート作品を数多く手掛け、インターネット黎明期からネットを重要な表現媒体として取り入れました。2000年以降、視覚や聴覚、触覚や重力といった多様な知覚をテーマとした大規模な作品《gravicells─重力と抵抗》 (市川創太との共作) や 《欲望のコード》 などを次々と制作、発表し、世界各地で巡回展示されました。並行して多摩美術大学では情報デザイン学科教員を務め、後進の育成にも尽力しました。
「三上晴子アーカイヴ」は、生前の作品に関連する資料や文献、活動記録などを包括的に収集、整理し、その活動の全容を把握、維持、保管することを目的に、2017年に立ち上げられました。2019年には、アートテークギャラリーで「三上晴子 Eye-Tracking Informatics Version 1.1 ─ YCAMとの共同研究成果展」を開催し、ヴァージョンアップを繰り返すインタラクティヴ・メディア・インスタレーション作品におけるアーカイヴの意味や方法論を議論するなど、AACが管理する本アーカイヴは、芸術研究や教育における貴重なリソースとなっています。
記号 |
SM |
受入 |
2017-2018 |
作成 |
三上晴子(1961-2015) |
期間 |
-2015 |
概要 |
書籍:35箱
資料:31箱
記録メディア類:18箱
作品類:15箱
DM:3箱 |
資料公開状況 |
応相談 |
参照可能リスト |
資料リスト
書籍リスト |

「三上晴子『Eye-Tracking Informatics Version 1.1』
──YCAMとの共同研究成果展」
会場:多摩美術大学アートテークギャラリー1F
会期:2019年1月9日–11日
写真:竹久直樹
三上晴子活動年表