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AAC所蔵資料展5「瀧口修造I ART BOOK 展」





アートアーカイヴセンター瀧口修造文庫による八王子キャンパスでの初めての展示として、「瀧口修造Ⅰ ART BOOK」展を開催いたします。
1930年代、パリを中心に世界各地にひろがっていたシュルレアリスム活動は、文通によってネットワークを形成し、詩集や画集を贈りあってその成果を共有していました。その輪の中にいた瀧口は敗戦後もこの体験を引き継ぐように、マルセル・デュシャン、ブルーノ・ムナーリら欧米の美術家、デザイナー、詩人たちと交流を続け、彼らの活動を紹介しました。こうした著作が日本の新人芸術家たちに与えた影響は大きく、瀧口は彼らの活動を見守る役割もになっていたのです。下落合の瀧口の書斎には、こうして世界各国の芸術家たちから著書、特製本、オブジェなどが献呈され、集積されました。
詩人・北園克衛(1902–1978)、現代音楽評論・秋山邦晴(1929–1996)、写真家・安齊重男(1939–2020)、美術評論・東野芳明(1930–2005)ら、本センターが所蔵する資料体関係者たちと、瀧口はそれぞれに深い交流がありました。北園とはシュルレアリスム研究の同世代詩人として長く交友し、秋山や東野ら後輩評論家はそのデビューから支援して前衛芸術の場にともに立ち会いました。とくに東野とはマルセル・デュシャン研究を中心に密接に交流しています。安齊は現代美術の現場で、瀧口や東野のポートレートを多数撮影しています。
本展では、交流の中で瀧口のもとに集まった貴重なART BOOKの数々を5名の本学教員がそれぞれの視点から選び出し、紹介する機会です。サイン本、豪華本、共著の詩画集など、お楽しみ下さい。

光田由里(多摩美術大学アートアーカイヴセンター所長/大学院教授)


多摩美術大学アートアーカイヴセンター 所蔵資料展5
瀧口修造文庫 「瀧口修造I ART BOOK展」

会 期:2024年6月19日(水)–7月20日(土)
休館日:日曜日、7月17日(月)
会 場:八王子キャンパス アートテーク2F アートアーカイヴセンターギャラリー
時 間:10:00–17:00
主 催:多摩美術大学アートアーカイヴセンター
監 修:多摩美術大学共同研究会「アートアーカイヴセンター所蔵資料の授業利用の課題と実践」
古谷博子(版画専攻教授)、大島成己(版画専攻教授)、加藤勝也(グラフィックデザイン学科准教授)、高橋庸平(グラフィックデザイン学科准教授)、矢野英樹(情報デザイン学科准教授)、光田由里(大学院教授)


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