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竹尾ポスターコレクション・ベストセレクション13
構成的ポスターの転換 1970–1990:コンストラクション・デストラクション

あたらしい技術を、あたらしい表現に転換することで、
新時代のイメージを描き出したデザイナーたち

会場:多摩美術大学 八王子キャンパス アートテーク1F
会期:2019年6月1日(土)~6月19日(水) 10:00–18:00
企画:ポスター共同研究会 
主催:多摩美術大学 共催:株式会社竹尾






今回で13回目を迎える竹尾ポスターコレクション・ベストセレクション展は、構成的ポスターが迎えた新たな局面を、1970年代から90年代にかけての構成的ポスターを通じて概観します。

この時代、グラフィックデザインの制作環境にコンピュータ・テクノロジーが流入しました。歴史的に見れば、新たな技術がもたらされる時、決まってグラフィックデザインは大きく進展してきました。構成的ポスターも例外ではありません。

あたらしい技術を、あたらしい表現に転換することで、新時代のイメージを描き出したデザイナーたちの創造力をご覧ください。

直感的なGUI (グラフィカル・ユーザー・インターフェース)
使ってモニター上の文字や画像を切り抜き、重ねあわせ、
自由にレイアウトしていくグラフィック表現


1980年代に普及したDTP環境は、印刷のあり方を大きく変えました。1960–70年代にスイス・タイポグラフィを学んだ若いデザイナーたちは技術革新を積極的に受けいれ、それまでの「構成的グラフィック」の基盤であったグリッドシステムやサンセリフ書体を基本としながらも、直感的なGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)を使ってモニター上の文字や画像を切り抜き、重ねあわせ、自由にレイアウトしていくグラフィック表現を展開します。

いわゆる「ニュー・ウェイブ」と名づけられたこの潮流は、ポストモダン建築の影響を受けつつ、ロックやパンクといった音楽やファッションの流行とも密接に関係しながら、第2次世界大戦前からつづく「構成的ポスター」のスタイルを転換し、混沌とした新時代のイメージを描き出します。

本展覧会は、この潮流を、ウォルフガング・ワインガルト、ウィリィ・クンツ、エイプリル・グレイマン、ジャン・ブノワ・レヴィ、オーデルマット&ティッシら6名によるポスターを通じて探るものです。(ポスター共同研究会)
                   

展示風景



ポスター制作者略歴

Wolfgang Weingart
ウォルフガング・ワインガルト、1941– 
1941年、コンスタンス(ドイツ)生まれ。スイスのシュトゥットガルトで植字工としての教育を受けた後、エミル・ルーダーとアルミン・ホフマンらがいたバーゼル工芸学校に学び、後に教鞭をとる。スイス・タイポグラフィを継承・発展させた実験的なタイポグラフィを試み、「スイス・パンク・タイポグラフィ」や「ニュー・ウェイヴ」と呼ばれる潮流を生みだすなど、後のグラフィックデザイン界に大きな影響を与えた。著書に『タイポグラフィ:マイ・ウェイ・トゥ・タイポグラフィ』(2000)など。

Odermatt + Tissi
オーデルマット+ティッシ
ジークフリート・オーデルマット(Siegfried Odermatt, 1926–2017)とロズマリー・ティッシ(Rosmarie Tissi, 1937–)によって1968年に創設された共同スタジオ。ジークフリート・オーデルマットはニューハイム(スイス)生まれ。独学でグラフィックデザイナーに。グラフィックデザイン事務所やハンク・フォークのスタジオに務めた後、3年間広告代理店で働く。1950年に自身のスタジオを開設し、企業の商標、グラフィック、広告、パッケージなどのデザインを手がける。
 ロズマリー・ティッシはシャフハウゼン (スイス)生まれ。チューリッヒ造形美術学校で学んだ後、1968年よりジークフリート・オーデルマットと共同アトリエ、オーデルマット+ティッシを設立。

Willi Kunz
ウィリィ・クンツ、1943– 
1943年生まれ。チューリッヒ造形学校で学ぶ。バーゼル工芸学校で教鞭をとった後、70年にアメリカに移住、インハウスデザイナーとして実績を重ねた後、ニューヨークにデザイン事務所を設立。またオハイオ州立大学でタイポグラフィを教える。当初は伝統的なスイス派のタイポグラフィを展開していたが、やがてスイス派に特有の客観的表現から「創造的実験」と彼自らが呼ぶデザインに移行。2002年、最初の著書『タイポグラフィ:マクロ・アンド・マイクロ美学』を刊行。2004年には『タイポグラフィ:フォーメーション・アンド・トランスフォーメーション』を刊行。タイポグラフィは、テキストを知識として伝えるとともに、テキストのフォルムによって、あるエモーショナルな印象を伝える行為であると論じている。 

April Greiman
エイプリル・グレイマン、1948– 
1948年、ニューヨーク(アメリカ)生まれ。1970年にバーゼル工芸学校でアルミン・ホフマンとウォルフガング・ワインガルトに学ぶ。帰国後はデザイナーとして活躍しながら、南カリフォルニア建築大学やカリフォルニア芸術大学で教鞭をとった。コンピュータなどのあたらしいメディアを用いてスイス・スタイルを独自に発展させ、アメリカのニュー・ウェイヴを確立した。著書に『ハイブリッド・イメージ』(1990)、『エイプリル・グレイマン:浮遊するアイデアを時空間へ』(1998)、『無から有へ』(2002)など。

Jean-Benoit Levy
ジャン゠ブノワ・レヴィ、1959– 
1959年、ジュネーヴ(スイス)生まれ。両親は写真家。1978年から83年までバーゼル工芸学校でウォルフガング・ワインガルト、アルミン・ホフマン、アンドレ・ギュルトラーらに学ぶ。1983年より雑誌『lʼ Hebdo』『Emois』などの編集デザイナーとして活動後、87年にデザイン事務所ANDをバーゼルに設立。グラフィックデザインの本質はポスターにあるとし、スイス独自の「世界フォーマット(Weltformat)」と呼ばれる905×1280 mmサイズでのポスター制作を貫く。バーゼル工芸学校やアートセンター・カレッジ・オブ・デザインで教鞭をとる。1998年、国際グラフィックデザイン連盟(AGI)会員。国際ポスター・ビエンナーレ等受賞多数。2006年、サンフランシスコに移住。


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アートアーカイヴセンター | 2019年5月17日




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1997年に株式会社竹尾から寄託され共同研究が続けられている20世紀の歴史的ポスター